HSCと聞いて、我が子が病気なのかと不安な想いになりますよね。
HSCとはハイリーセンシティブチャイルドの略で、繊細な気質を持つ子供のことです。病気ではありません。
些細なことに敏感に反応するので、刺激を和らげるなどの工夫が必要になります。
- HSCの概念と特徴
- HSCが持つ4つの性質
- HSCチェックリスト
- HSCの相談機関
- HSCと不登校の問題
簡単にできるHSCチェックリストも紹介しているので、ぜひお子さんのことを確認する意味でやってみてください。
後半では、HSCのことを相談できる機関も紹介しているので参考にしていただければと思います。
HSCのことをよく知ると接し方がわかるので、もっとその子を好きになることができますよ。
自宅学習するなら、こどもちゃれんじがおすすめです。無料体験キャンペーン中なので気軽にどうぞ。
無料体験キャンペーン中!
目次
HSCとは
HSCはハイリーセンシティブチャイルドの略で、人一倍繊細な子と称されます。
生きづらさを抱えながらも、彼らなりに工夫して生きている繊細な子供たちです。
HSCの概念
HSC(HSP)は、アメリカの心理学者のエレイン・アーロン氏によって1996年に提唱された概念です。
日本ではHSCの子育てハッピーアドバイスで著名な明橋大二先生が第一人者で、HSCを広く普及させようと頑張っておられます。
HSCは、繊細さんでお馴染みのHSPの子供版。
武田友紀さんの著書「繊細さん」で一躍有名になったHSPは、生まれながらにして繊細な気質を持っているんですね。
気質は生まれ持ったもので、病気のように治るものではありません。
なので、HSCの子は大人になっても繊細な気質を持ち続けます。
HSCの特徴
それではHSCの子は、どんな特徴があるのでしょう。
- 教室で落ち込んだ子がいると何かあったのかとても気になる
- お母さんが料理している時いつもより包丁の音が強いので怒っていると感じる
- 部屋に置いてあった物がなくなるとすぐに察知できる
こんな感じで、ちょっとの変化を敏感に察知することができます。
それだけなら良いのですが、そのことで彼らの心や体に影響がでてしまうんです。
これはHSCの他者への共感力が強いことによるのですが、まるで自分が怒られているかのように感じて辛い気持ちになってしまうからです。
まだ小さい子供でも、多感にいろんなことを経験して感じて傷ついているんですね。
HSCの赤ちゃんの特徴については、「HSC赤ちゃんの3つの特徴」で詳しく解説しているのでご覧ください。
HSCの持つ4つの性質DOESとは
HSCはHSPの子供版とお伝えしました。
ということは、HSPの特徴をそのまま持っているということでもあります。
HSPさんであれば誰でも持つという、4つの性質DOESがあります。
- Dは深く考える
- Oは過剰に刺激を受ける
- Eは共感力の高さ
- Sは些細な刺激を察知する
4つの特徴について解説します。
D:深く考える
小さい子だと、友達と一緒になってワーワー騒ぐのが普通ですよね。
でもそんな賑やかな中でも、じっと状況を見て何やら考えている子もいます。
例えば友達の家に遊びに行って、おやつをもらったときのこと。普通ならわーいと喜んで食べるのですが、HSCさんはみんな等分ずつ分けてもらったかな?などと考えています。
じっくり考えて行動するので慎重派ですが、考えすぎてなかなか実行できないという面もあります。
O:過剰に刺激を受ける
音や匂いなど、些細な刺激を過剰に受けて反応します。
具体的には…
- 外食したときのお店の匂いがダメで泣き出してしまう
- 洋服のタグやチクチクした素材が気になって着ることができない
こんな感じで、非HSPからしたらそんなの気にすんなよってことが気になってしまうんです。
E:共感力が高い
周りの人や動物などに対して、その人の気持ちをわかろうとする共感力の高さがあります。
- 友達が悲しくて泣いていると、自分まで悲しくなってくる
- 猫が寒そうにしてミャアミャア鳴いていると可哀想でなんとかしてあげたいと思う
他の人が怒られたりすると、まるで自分ごとのように感じるという特徴があります。
いちいちそんな反応していたら、身が持たないと思いますよね。
S:些細な刺激を察知する
子供だからこれぐらい気づかないだろうと思うことでも、瞬時に分かるからビックリします。
HSCのチェックリスト
それでは、どんな子がHSCに該当するのでしょう。
HSCの提唱者、エレイン・アーロンさんが作成した23項目のチェックリストがあります。
このうち、13個以上該当するのであれば恐らくHSCであると言えます。
しかし仮に該当項目が1個か2個でも、その特徴が極端に強いのであればHSCである可能性があります。
我が子のことを思い出して、チェックしてみてください。
- すぐにビックリする
- 服の布地がチクチクしたり、靴下の縫い目や服のラベルが肌に当たったりするのを嫌がる
- 驚かされるのが苦手である
- しつけは、強い罰よりも、優しい注意のほうが効果がある
- 親の心を読む
- 年齢の割りに難しい言葉を使う
- いつもと違う臭いに気づく
- ユーモアのセンスがある
- 直感力に優れている
- 興奮したあとはなかなか寝つけない
- 大きな変化にうまく適応できない
- たくさんのことを質問する
- 服がぬれたり、砂がついたりすると、着替えたがる
- 完璧主義である
- 誰かがつらい思いをしていることに気づく
- 静かに遊ぶのを好む
- 考えさせられる深い質問をする
- 痛みに敏感である
- うるさい場所を嫌がる
- 細かいこと(物の移動、人の外見の変化など)に気づく
- 石橋をたたいて渡る
- 人前で発表する時には、知っている人だけのほうがうまくいく
- 物事を深く考える
チェックが1つでもHSCの可能性がある
23項目中、13項目が該当すれば恐らくHSCと言います。
しかしながらたった1項目の該当でも、その度合いが極端に強いのであればHSCの可能性があると言います。
この辺はかなり難しいのですが、一つ具体例を出して考えてみると分かりやすいです。
チェックリストの2項目に、服の布地がチクチクするのを嫌がるとあります。例えばいろいろな服がチクチクして嫌だと言って、着られる服が3着しかないとしたらかなり極端ですよね。
そうするとその服を着まわせるよう、同じ素材の物をわざわざ用意しないといけなくなります。
それが体操服だったら…どうしたら良いでしょうね。学校の先生と話し合って、特別に着られる素材の服に変えるかもしれません。
こんな感じでチェック項目が1つだったとしても、度合いが極端だとHSCの可能性があります。
HSCとは個性
大変なことばかりかと言うと、その辺は大人たちの捉え方によります。
HSCをこの子の個性として伸ばしてあげると、子供たちはのびのびと生きていきます。
反対にダメとしつけを厳しくすると、どこかで爆発してしまいます。
甘やかしているわけではない
非HSCの子であっても、育てるのに大変な子っていますよね。
すぐに癇癪を起こす子もいれば、走り回って親の言うことなんか聞かない子だっています。
そうした子供たちの親は、親のしつけが悪いと言われますよね。
HSCの親も同じで、HSCを知らない方からあんたが甘やかしているせいだと言われます。
HSCは生まれ持った気質であり、治すことはできません。医師や心理学者がそう断言していますから、確かなことです。
HSCの子を抱えると、そう言った周りの声とも闘っていかなければいけません。
ですから、親もこの子を育てるんだと言う覚悟を持つ必要があります。
HSPが甘えかどうかについては、「HSPは甘えと言われた時の対処法」で詳しく解説していますので参考にしてください。
短所を長所に変える
HSCの繊細さは悪いことばかりのように見えますが、決してそうではありません。
見方を変えると、短所が長所にもなります。
例えば、友達が落ち込んでいるのを見て自分まで悲しくなってしまうHSCさんの場合。他者を思いやれる、優しい気持ちを持っていると言えますよね。
また自然に触れると感動できるHSCの子は、感受性豊かで大人から見ても羨ましいなぁと思える感覚を持っていると言えます。
そんな風に短所と思っていた物でも見方を変えて長所にすると、子供たちが可能性たくさある存在に思えてきます。
支える大人たちが肝心
そして彼への接し方を変えてみたところ、変化を感じ取ることができるようになりました。
それまでは怒ってばかりで、息子もイライラして髪の毛をむしったり、泣き出したりすることがものすごく多かったんですね。
でも接し方を変えてからは、髪の毛をむしることも少なくなったり、泣くよりも笑うことの方が多くなりました。
そして以前よりも素直になったような気がします。
子育てしにくいと悩んでいる方は、「HSCの子は育てにくい?心の余裕が生まれる3つのポイント」で詳しく解説しているのでご覧ください。
HSCを相談できる機関とは
まずはかかりつけ医
HSCってまだまだ世間では、あまり認知されていないんですね。
だから医師や看護師などでも、HSCについて詳しくないかもしれません。
ですがまず相談できるところとしては、子供のかかりつけ医が良いと思います。
理由は、日頃からその子のことを診てよく分かっているからです。
その子のことをよく診てくれている先生なら、HSCという言葉を出さずともその子のことについてきちんと診断してくれるでしょう。
そしてもしかかりつけ医で対応が難しい場合は、他に対応できる機関を医師から紹介してもらえるかもしれません。
HSCの専門医もいる
かかりつけ医もいろんな方がいて、HSCの話をしても理解を示さない人もいるでしょう。
そうするとどこへ相談したら良いか、途方に暮れてしまいますよね。
病院やクリニックなどのホームページを見ると、しっかりHSPという言葉を使っているので間違いなく理解のあるところです。
HSCの専門医は、以下の3人です。
- 富山病院の明橋先生
- 十勝むつみのクリニックの長沼先生
- 横浜つづきクリニックの河原先生
こちらの3人の医師についての情報は、「HSCはどこで相談できる?医療機関からカウンセリングまで紹介」で詳しく解説していますので参考にしてください。
HSCは学校に通えるのか
HSCの子は些細な刺激も敏感に反応してしまうので、なかなか集団生活に馴染みにくいという特徴があると思います。
初めのうちは大泣きして幼稚園や学校へいくのを嫌がったりするので、親のサポートは必須です。
そして先生の協力も必要だと思うので、子供のことをよく伝えて理解しておいてもらう方がスムーズでしょう。
そこでHSCという言葉は出さなくても良いと思います。まだHSCについて認知していない先生もいるでしょうから。
幼稚園へ行かなくて悩んでいるなら、「HSCは幼稚園へ行きたがらない原因と今日から使える3つの対策」で詳しく解説していますので参考にしてください。
小学校の不登校で悩んでいるなら、「HSCの不登校を乗り越えるには|学校が辛い気持ちを軽くする5つの方法」で詳しく解説しているのでご覧ください。
HSCとは敏感な個性を持つ子供たち
以上、HSCとはについて解説してきました。
とても繊細な気持ちを持つ子供たちで、周りの大人たちの理解が重要だと言うことが分かったと思います。
理解ない方からは甘えと称されてしまいそうですが、実際そうではないんですよね。
HSPのことは非HSPでは理解できないと言うように、HSCの子のこともなかなか理解されにくいと思います。
繊細な気持ちは個性と受け取って、その子を褒めてのびのび育っていけると良いですね。
私はHSCのことを知って、息子の辛さや大変さを理解しました。そのことでイライラが解消されました。
HSCのことを知ると、もっともっとお子さんと仲良くなれますよ。
自宅学習するなら、こどもちゃれんじがおすすめです。無料体験キャンペーン中なので気軽にどうぞ。
無料体験キャンペーン中!